臨床成績
国際共同第III相試験(CARES試験)における有効性および安全性についてご紹介します。
「禁忌を含む注意事項等情報」等はドラッグインフォメーションをご参照ください。
一部承認外の効能又は効果の成績を含みますが、承認時評価資料であるためご紹介します。
国際共同第III相試験(CARES試験)(国際共同試験、検証試験)
8)社内資料:臨床的安全性の概要(CTD 2.7.4.2、承認時評価資料)
9)Wechalekar AD, et al. J Clin Oncol. 2026;44(20):1899-1910(PMID: 42212672)
試験概要
目的
未治療のALアミロイドーシス患者を対象に、PCDに対する標準治療下で、アミロペイブを投与したときの有効性及び安全性をプラセボと比較する。
対象
Mayo Clinic Staging(2004年)のEU改訂版(2013年)10-12) に基づき、StageⅢa又はStageⅢbに分類された18歳以上の全身性ALアミロイドーシス患者405例(日本人17例[アミロペイブ群10例、プラセボ群7例])
方法
301試験及び302試験のいずれも、対象患者を2:1の割合でアミロペイブ群又はプラセボ群にランダムに割り付け、アミロペイブの用量は1000mg/m²とし、最初の4週間は7日(±1日)ごと、その後は主要評価期終了まで14日(±2日)ごとに点滴静脈内投与(点滴静注)した。総投与量はスクリーニング期での体表面積(BSA)に基づき決定し、20%以上の体重変化がなければBSAの再算出は不要とした。点滴静注は約2時間かけて行い、アミロペイブの最大許容用量は2700mgとした。プラセボ群に割付けられた患者には、アミロペイブ相当量の0.9%生理食塩液を投与した。なお、PCD療法と同日に投与する場合には、治験薬を先に投与した。
試験デザイン
評価項目
301試験及び302試験共通
<評価項目>
主要評価項目、検証的解析項目
■全死因死亡(ACM)までの期間と心血管事象に関連する入院(CVH)頻度の階層的複合エンドポイント
主な副次評価項目
■ベースラインからWeek 50までのKansas City Cardiomyopathy Questionnaire Overall Score
(KCCQ-OS)*1 の変化量
■ベースラインからWeek 50までの6分間歩行試験(6MWT)の歩行距離の変化量
■ACMまでの期間
■CVH頻度
■ベースラインからWeek 50までの長軸方向ストレイン(GLS)%の変化量
その他の副次評価項目
■ベースラインからWeek 50までのShort Form 36 Health Survey version 2 身体的側面のスコア
(SF-36v2® PCS)*2 の変化量
■ベースラインからWeek 50までのNT-proBNPの変化量
探索的評価項目
■ベースラインからの経時的な、NT-proBNP、cTnT、dFLC、及びCRPの変化量
■Week 14、26、38、50、74時点で心奏効を認めた患者の割合
■心奏効達成までの期間
■Week 14、26、38、50、74時点で複合心奏効(以下をいずれも満たす)を認めた患者の割合
● NT-proBNP値の30%超かつ300ng/L超の低下
● GLS%の2%以上の改善
■以下の階層的複合エンドポイント:
● 死亡(心臓移植及び左室補助人工心臓装置導入は死亡として取り扱う)、又は
●(推算糸球体濾過量[eGFR]の25%以上の減少を伴わない状況下での)NT-proBNP値の30%超かつ300ng/L以上の上昇、又は
● GLS%の2%以上の悪化
■Week 14、26、38、50、74時点で、グレード分類(CarCR、CarVGPR、CarPR、CarNR)別で心奏効を認めた患者の割合
■グレード分類された心奏効までの期間
■腎奏効を認めた患者の割合
■腎奏効達成までの期間
■腎進行までの期間
■グレード分類(renCR、renVGPR、renPR、renNR)別で腎奏効を認めた患者の割合
■グレード分類された腎奏効までの期間
■Week 14、26、38、50、74時点で肝奏効を認めた患者の割合
■肝奏効達成までの期間
■Week 14、26、38、50、74時点で、グレード分類(hepCR、hepVGPR、hepPR、hepNR)別で肝奏効を認めた患者の割合
■グレード分類された肝奏効までの期間
■ベースラインからの経時的なAST、ALT、ALP及びGGTを含む肝機能の変化
■ベースラインからの経時的なeGFR、血清クレアチニン及び24時間尿タンパクを含む腎機能の変化
■ベースラインからの経時的なKCCQの領域スコア及び要約スコア、SF-36v2®の尺度領域スコア、精神面側面のQoL要約スコア、EQ-5D-5L™指標スコア及び視覚的アナログ尺度によるQoLの変化
■ベースラインからの経時的なNew York Heart Association(NYHA)心機能分類の変化
*2 SF-36v2®PCS:SF-36v2は、健康関連QoLを評価するために使用される自己記入式の質問票であり、8つのドメイン(活力、身体機能、身体の痛み、全体的健康感、身体的役割機能、精神的役割機能、社会的役割機能、精神的健康)に分類される35項目と自己評価による変化の単一項目から構成される。これらのドメインは身体的要素要約(PCS)と精神的要素要約(MCS)に分類される。高いスコアはより良いQoLを示す。
解析計画
■有効性の主解析対象集団はintent to treat(ITT)集団であり、その定義は「ランダム割付けされたすべての患者」とした。また、per protocol(PP)解析対象集団での感度分析も実施することとし、その定義は「ITTの定義を満たし、かつ有効性の評価項目の解釈に影響を及ぼす可能性のある治験実施計画書からの逸脱が認められていないすべての患者」とした。安全性解析対象集団は治験薬が投与されたすべての患者とした。
■有効性の主要評価項目は「ACMまでの期間とCVH頻度の階層的複合エンドポイント」とした。「ACMまでの期間」は「ランダム割付から死亡までの週数」と定義し、主要評価期(最後の患者のランダム割付日から18ヵ月経過した時点まで)終了時点で生存している患者は、最終生存確認日で評価打ち切りとした。また、CVHは臨床事象判定委員会が中央判定することとした。主要評価項目の主解析での中間事象(心臓移植/左室補助人工心臓装置導入)は死亡として扱い、他の中間事象(治験薬の投与中止、治験実施計画書からの重大な逸脱)は治療方針ストラテジーを適用し、中間事象後のデータをそのまま解析に含めた。主要評価項目の主解析での仮説検定にはFinkelstein-Schoenfeld(F-S)法を用い、投与効果の推定にはWin ratioを算出した。試験(301試験、302試験)、地域(北米、その他)、及びベースライン時のダラツムマブ投与(有、無)により層別化し、各層内の各群から1例ずつの組(ペア)を作り、アウトカムを階層的に対比較した。これを層内すべての組(ペア)に対して実施した。まず、臨床的に重要性の高い評価項目である「ACMまでの期間」を比較し、勝敗がつかない場合は「CVH頻度」を比較した。帰無仮説は「ACMまでの期間及びCVH頻度のいずれにも、アミロペイブ群とプラセボ群で群間差はない」とし、対立仮説は「ACMまでの期間及びCVH頻度のうち少なくとも1つには、アミロペイブ群とプラセボ群で群間差がある」とした。
■主な副次評価項目は、主要評価項目が有意水準両側5%で統計学的に有意であった場合に、事前に規定した順序で階層的に検定することとした。有効性の副次評価項目のうち、KCCQ-OS、GLS%、6MWTの歩行距離、SF-36v2®PCS、NT-proBNPのベースラインからWeek 50までの変化量の群間差の検定には順位付け共分散分析(Ranked ANCOVA)モデルを用いた。Ranked ANCOVAモデルでは、投与群、試験、地域、ベースライン時のダラツムマブ投与を固定効果とし、当該評価項目のベースライン値の順位を共変量とした。また、群間差の中央値としてHodges-Lehmann推定値及びその95%信頼区間(CI)を示した。
■主要評価項目及び副次評価項目は、事前に規定したサブグループ(試験、地域、ベースライン時のダラツムマブ投与、試験中のダラツムマブ投与、性別、人種、年齢、iFLCのサブタイプ、ベースライン時のGLS%、ベースライン時のNYHA)を対象に解析した。なお、κ型の部分集団解析を対象に検証を目的とした事前仮説は設定していなかった。
■ACMまでの期間の比較には、試験、地域、ベースライン時のダラツムマブ投与による層別log-rank検定を用いた。また、試験、地域及びベースライン時のダラツムマブ投与によって補正した層別Cox比例ハザードモデルを用いてプラセボ群に対するアミロペイブ群のハザード比及び95%CIを算出した。
■CVH頻度の比較の検定には負の二項回帰モデルを用いた。投与群、試験、地域及びベースライン時のダラツムマブ投与を固定効果とし、各患者の追跡期間の対数をオフセット項としてモデルに含めた。また、投与群間の推定発現率比とその95%CI、及びCVH年間発現頻度とその95%CIを算出した。
■安全性の解析には安全性解析対象集団を用いた。有害事象は、医薬品規制調和国際会議(ICH)国際医薬用語集(MedDRA)version 28.0を用いてコード化し、器官別大分類及び基本語別、治験薬との関連性別、重症度別に要約した。臨床検査値及びバイタルサインは各来院時点の実測値及びベースラインからの変化量を投与群別に記述的に要約した。また、米国国立がん研究所有害事象共通用語規準(NCI CTCAE)のグレード別での臨床検査値異常の発現割合を要約した。
■CARES試験全体に加えて、事前に規定したFLCサブタイプκ型患者集団及びλ型患者集団での安全性解析対象集団を対象に、有害事象の発現状況の概要、有害事象、重篤な有害事象、死亡に至った有害事象、治験薬の投与中止に至った有害事象の解析を実施した。
主要評価項目に対するFinkelstein-Schoenfeldスコアリングアルゴリズム
a:患者jが患者iの死亡前に生存していたが打ち切りとなった場合、ACMまでの期間は同点とし、CVHの頻度で比較する。
b:両方が生存している又はACMまでの期間が同点の場合、CVHの頻度で比較する。
C:両者でCVHに対する追跡期間が異なる場合、短い方の追跡期間により評価する。
患者背景(ITT集団)
a:中央検査機関又は院内検査室における第5世代高感度心筋トロポニンTアッセイ
b:各施設内の検査室による第4世代の心筋トロポニンT測定
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