安全性薬理試験及び毒性試験

アンセラミマブの安全性薬理試験、毒性試験、遺伝毒性、がん原性、
 生殖発生毒性および特殊毒性についてご紹介します。

安全性薬理試験22)

安全性薬理試験

毒性試験

(1)単回投与毒性試験23,24)

毒性試験

(2)反復投与毒性試験22)

29~36月齢の雌雄カニクイザルにアンセラミマブを4週間以上にわたって週1回、計5回、30分かけてIV持続投与し、その後60日間の回復期間を設けたときの毒性及びTKを評価しました(GLP適用)。動物は4つの投与群に割り付けました。対照群(0mg/kg/週、第1群)及びアンセラミマブ250mg/kg/週を投与した第4群は5匹/性/群とし、うち2匹/性/群は60日間の回復性試験に供しました。アンセラミマブ25mg/kg/週を投与した第2群及び80mg/kg/週を投与した第3群は3匹/性/群としました。動物には試験1、8、15、22及び29日に各1回、0mg/kg(溶媒、USP 0.9%生理食塩液)、25、80又は250mg/kgのアンセラミマブを伏在静脈よりカテーテルを用いてIV投与しました。その結果、毒性所見は認められませんでした。TK解析の結果、アンセラミマブの血清クリアランスに対する抗薬物抗体(ADA)の影響の可能性は示唆されず、またADAの存在に起因する毒性又は病理所見が認められなかったことから、ADAの評価は実施しませんでした。無毒性量は250mg/kg/週でした。

(3)遺伝毒性試験

該当資料なし
〈参考〉
ICH S6(R1)ガイドライン「バイオテクノロジー応用医薬品の非臨床における安全性評価」では、アンセラミマブのようなバイオテクノロジー応用医薬品について遺伝毒性試験は要求されていません。ICH S2(R1)ガイドライン「医薬品の遺伝毒性試験及び解釈に関するガイダンス」の基準に基づくと、アンセラミマブに遺伝毒性の可能性があるとのエビデンスはありません。したがって、アンセラミマブの遺伝毒性試験は実施していません。遺伝毒性試験の免除に関する前向き証拠の重み付け(WoE)評価が検討され、FDAと合意しています。

(4)がん原性試験

該当資料なし
〈参考〉
アンセラミマブは高分子のマウス:ヒトキメラmAbからなる生物学的製剤である。生物学的製剤に属する薬剤はがん原性を有しないと考えられています。ICH S1ガイドライン「医薬品のがん原性試験に関するガイドライン」のS1B(R1)に基づく改正“Addendum to S1B Testing for Carcinogenicity of Pharmaceuticals”に従って実施した前向きWoE評価より、ラット及びヒトにおけるがん原性の可能性は低いため、ラットを用いた2年間がん原性試験を実施しても、ヒト発がんリスク評価に価値を付与する可能性は低いと考えられます。このアプローチはICH S6(R1)ガイドラインとも合致しています。がん原性試験の免除に関する前向きWoE評価が検討され、FDAと合意しています。

(5)生殖発生毒性試験

該当資料なし
〈参考25)
ALアミロイドーシスに罹患する患者はほとんどが55歳超の高齢成人であることから26) 、アンセラミマブの生殖発生毒性(DART)試験は計画していません。さらに、アンセラミマブの臨床試験に参加する患者はすべて、生殖への危険性が知られている細胞毒性薬を含む標準療法に曝露されているか併用療法を受けています。
雌雄サルにアンセラミマブを最高250mg/kg/週の用量で4週間IV投与したところ、生殖系において毒性を示唆するような病理組織学的変化は認められませんでした。DART試験免除に関するWoE評価はFDAに承認され、2019年の欧州医薬品庁ヒト用医薬品委員会(CHMP)によるScientific Adviceとも合致していることから、DART試験は計画していません。

(6)局所刺激性試験

該当資料なし
〈参考27)
アンセラミマブの局所刺激性はカニクイザルを用いた4週間反復投与毒性試験において注射部位の検査によって評価しました。安楽死前の一般状態及び安楽死後の解剖学的病理検査のいずれにおいてもアンセラミマブに関連する毒性所見は認められませんでした。

(7)その他の特殊毒性24)

・ 交差反応性試験(in vitro
アンセラミマブのヒト正常組織凍結切片及びヒト患部(原発性アミロイドーシス)組織のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)切片との交差反応性の可能性を評価しました(GLP適用)。アンセラミマブをヒト正常組織の凍結切片(入手可能な場合、各組織3ドナー)あるいは原発性アミロイドーシス(AL)を有する心臓及び腎臓組織のFFPE切片(各組織3ドナー)に2種類の濃度(5及び20μg/mL)で適用しました。
種々のヒト正常組織におけるアンセラミマブの染色は細胞質領域に限定されていたことから、生物学的意義は低いと考えられた(ICH S6(R1))。アンセラミマブは罹患した心臓及び腎臓のいずれのアミロイド沈着にも予想どおり結合し、免疫グロブリン軽鎖、アミロイドβ及び可溶性アミロイド前駆体タンパク質の分布と一致しました。それ以外の染色はアミロイド前駆体タンパク質もしくはアミロイドβ又はκ4型などの免疫グロブリン軽鎖と考えられました。したがって、本試験で観察された染色はすべて、予想されたもの(アミロイド)又はオフターゲット結合の評価には関連しないもの(細胞質)と考えられました。

・ リンパ球刺激試験(Ex vivo
アンセラミマブのヒトドナー由来末梢血単核球(PBMC)における炎症性サイトカイン誘導能及び増殖誘導能について評価しました(GLP非適用)。キメラモノクローナル抗体14.18(Ch14.18)を陰性対照として用いました。細胞は複数の96ウェル平底プレートで培養しました。アンセラミマブ及びCh14.18の濃度は、0.003~3.0μg/mL及び0.01~3.0μg/mLとし、その他に培地のみ及び特異的マイトジェン対照のウェルを設けました。9種類のサイトカインについて、臨床的に得られる濃度(1000mg/m² 投与時のCmax:777μg/mL)よりも低濃度のアンセラミマブ濃度で試験しました。
4人の健康ドナー由来のPBMCをアンセラミマブと培養しても、炎症性サイトカイン、すなわちインターロイキン(IL)-2、IL-8、IL-12p70、IL-1β、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、IL-6、IL-10、インターフェロン(IFN)-γ及び腫瘍壊死因子(TNF)-αの産生に対する測定可能な影響は一貫して認められず、リンパ球増殖も誘導されませんでした。アンセラミマブの活性強度はCh14.18アイソタイプ対照抗体との培養で認められた変化と同程度でした。

22) 社内資料:反復投与毒性試験(CTD 2.6.6.3、承認時評価資料)
23) 社内資料:単回投与毒性試験(CTD 2.6.6.2、承認時評価資料)
24) 社内資料:その他の毒性試験(CTD 2.6.6.8、承認時評価資料)
25) 社内資料:生殖発生毒性試験(CTD 2.6.6.6、承認時評価資料)
26) Cohen AD, Comenzo RL. Hematology Am Soc Hematol Educ Program. 2 010:2010:287-294. (PMID: 21239808)
27) 社内資料:局所刺激性試験(CTD 2.6.6.7、承認時評価資料)

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