全身性ALアミロイドーシスの臨床症候
全身性ALアミロイドーシスでは、蛋白尿、腎機能障害、うっ血性心不全、起立性低血圧、下痢、不整脈など多岐にわたる症状が認められます。
ALアミロイドーシスのうち、全身の臓器にアミロイド線維が沈着する場合を全身性ALアミロイドーシス、単一の臓器にアミロイド線維が沈着する場合を限局性ALアミロイドーシス※1とします1,2)。全身性ALアミロイドーシスは、全身性アミロイドーシスの中で最も一般的な病型であり、進行性の経過をたどり、臓器障害や臓器不全を呈します3)。
※1 血中にM蛋白を伴わないことが多い
1) Blancas-Mejía LM, et al. Annu Rev Biochem. 2013; 82: 745-774.
2) アミロイドーシス診療ガイドライン2025作成委員会(編). アミロイドーシス診療ガイドライン2025. 医歯薬出版; 2025, p.2-9.
3) Palladini G, et al. Leuk Lymphoma. 2024; 65(8): 1068-1078.[COI:著者のなかにはAlexion Pharmaceuticals, Inc. 及び AstraZeneca plc. 、Caelum Biosciences, Inc.より研究資金を受領している者が含まれる]
2) アミロイドーシス診療ガイドライン2025作成委員会(編). アミロイドーシス診療ガイドライン2025. 医歯薬出版; 2025, p.2-9.
3) Palladini G, et al. Leuk Lymphoma. 2024; 65(8): 1068-1078.[COI:著者のなかにはAlexion Pharmaceuticals, Inc. 及び AstraZeneca plc. 、Caelum Biosciences, Inc.より研究資金を受領している者が含まれる]
1)多岐にわたる症状
全身性ALアミロイドーシスでは、蛋白尿、腎機能障害、うっ血性心不全、起立性低血圧、下痢、不整脈など多岐にわたる症状が認められます(図3)8)。これらの症状の中でも、「巨舌(きょぜつ)」は特徴的な所見の1つです。また、皮下出血では、眼窩部で紫斑を呈する「アライグマの眼サイン」も特徴的な所見として知られています。
しかし、多くの症状は非特異的であるため、臨床症状のみから本疾患を早期に疑うことは難しく、診断が遅延する要因となっています。
しかし、多くの症状は非特異的であるため、臨床症状のみから本疾患を早期に疑うことは難しく、診断が遅延する要因となっています。
8) Shimazaki C, et al. Intern Med. 2018; 57(2): 181-187.
2)臓器障害
障害されうる臓器は多岐にわたり、神経、心臓、腎臓、消化管、肝臓、手根管、靭帯・骨・関節、脳、甲状腺、舌、唾液腺、皮膚、眼などが挙げられます。
本疾患を疑う際に発現頻度が高い症候としては心症候、神経症候、腎症候、手根管症候群が知られています13)。これらに加えて、血清および尿中にM蛋白を認める場合や、遊離軽鎖(FLC)比の異常がみられる場合には、本疾患を疑います(図4)。
さらに、全身性ALアミロイドーシスは進行性の多臓器不全をしばしば呈することから、複数の臓器にまたがる症候がみられ、他の疾患では説明がつかない病態を認める場合には、鑑別診断として本疾患を念頭に置いて診察を行う必要があります14)。
本疾患を疑う際に発現頻度が高い症候としては心症候、神経症候、腎症候、手根管症候群が知られています13)。これらに加えて、血清および尿中にM蛋白を認める場合や、遊離軽鎖(FLC)比の異常がみられる場合には、本疾患を疑います(図4)。
さらに、全身性ALアミロイドーシスは進行性の多臓器不全をしばしば呈することから、複数の臓器にまたがる症候がみられ、他の疾患では説明がつかない病態を認める場合には、鑑別診断として本疾患を念頭に置いて診察を行う必要があります14)。
13) アミロイドーシス診療ガイドライン2025作成委員会(編). アミロイドーシス診療ガイドライン2025. 医歯薬出版; 2025, p.130.
14) Palladini G, et al. Blood. 2022; 139(19): 2918-2930.
14) Palladini G, et al. Blood. 2022; 139(19): 2918-2930.
3)全身性アミロイドーシスのサブタイプ:κ型、λ型
全身性ALアミロイドーシスには、κ鎖由来軽鎖が主体となる「κ型」と、λ鎖由来軽鎖が主体となる「λ型」の2つのサブタイプが存在します。その割合は、κ型が約28%、λ型が約72%でλ型が多数を占めることが報告されています(海外データ)15)。
また、臓器障害の傾向としては、κ型では肝臓や消化管の障害が多く、λ型では腎病変が多いとされ、代表的な特徴として示されています。ただし、両サブタイプ間の臨床像の違いについては、依然として未解明な点も残されています16)。
一方、軽鎖のバランスを示すκ/λ比(正常:0.26~1.65)が異常を示す場合、正常な場合と比較して全生存期間が有意に短いことが海外データより報告されています(p<0.001、log-rank検定)16)。
また、臓器障害の傾向としては、κ型では肝臓や消化管の障害が多く、λ型では腎病変が多いとされ、代表的な特徴として示されています。ただし、両サブタイプ間の臨床像の違いについては、依然として未解明な点も残されています16)。
一方、軽鎖のバランスを示すκ/λ比(正常:0.26~1.65)が異常を示す場合、正常な場合と比較して全生存期間が有意に短いことが海外データより報告されています(p<0.001、log-rank検定)16)。
15) Kumar S, et al. Blood. 2010; 116(24): 5126-5129.
16) アミロイドーシス診療ガイドライン2025作成委員会(編). アミロイドーシス診療ガイドライン2025. 医歯薬出版; 2025, p.113-114.
16) アミロイドーシス診療ガイドライン2025作成委員会(編). アミロイドーシス診療ガイドライン2025. 医歯薬出版; 2025, p.113-114.