全身性ALアミロイドーシスの疫学

本邦で2014年に行われた全国疫学調査では、2012~2014年のALアミロイドーシス患者数は3,200例、罹患率は100万人あたり4.2人と推定されています。

1)患者数、発症率

本邦で2014年に行われた全国疫学調査では、2012~2014年のALアミロイドーシス患者数は3,200例、罹患率は100万人あたり4.2人と推定されています6,7)。また、同調査では男性患者がやや多く、65歳以上が64%を占めており、高齢者に多い疾患であることが示されています(図28)
近年、治療法の進歩により新規診断例の多くが長期生存可能となっているため、現在では数千人以上の患者が存在すると推測されています9)
なお、海外の疫学データによれば、米国およびEUにおける全身性ALアミロイドーシスの患者数は35,000~40,000例、発症率は100万人あたり12人と報告されています3)
日本人ALアミロイドーシス患者の年齢及び性別
3) Palladini G, et al. Leuk Lymphoma. 2024; 65(8): 1068-1078.[COI:著者のなかにはAlexion Pharmaceuticals, Inc. 及び AstraZeneca plc. 、Caelum Biosciences, Inc.より研究資金を受領している者が含まれる]
6) 造血器腫瘍診療ガイドライン第3.1版(2024年版)https://www.jshem.or.jp/gui-hemali/3_2_2.html 2026年3月閲覧
7) Shimazaki C, et al. Rinsho Ketsueki. 2019; 60(8): 973-978.
8) Shimazaki C, et al. Intern Med. 2018; 57(2): 181-187.
9) アミロイドーシス診療ガイドライン2025作成委員会(編). アミロイドーシス診療ガイドライン2025. 医歯薬出版; 2025, p.129.

2)診断の現状

全身性ALアミロイドーシスでは、全身倦怠感、体重減少、浮腫などの非特異的な症状が主体となるため、確定診断に至るまでに血液内科、循環器内科、腎臓内科などの複数の診療科を受診することが知られています10)。このように診療が多科に及ぶのは本疾患の特徴であり、症状発現から確定診断までの平均期間は21.7ヵ月とする海外の報告もあります11)
診断の遅延は治療開始の遅れにつながり、症状の重症化、臓器障害の進展、早期死亡率の上昇と関連します。実際に、発症から6ヵ月以内に診断された場合には生存率が改善するのに対して、診断までに6ヵ月を超える場合には生存率の低下につながることが海外では報告されています12)
10) Lyons G, et al. OpenHeart 2025; 12: e003124.[COI:本研究はAlexion Pharmaceuticals, Inc. 及び AstraZeneca plc. より資金的支援を受けた。著者のなかには同社より謝礼を受領している者、同社の株式を保有する社員が含まれる]
11) Damy T, et al. Amyloid. 2022; 29(3): 165-174.
12) Wechalekar AD, et al. JACC CardioOncol. 2022; 4(4): 427-441.