アミロイドーシスの分類6)

アミロイドーシスはアミロイド前駆蛋白質の種類により分類され、これまでに43種類の前駆蛋白質が同定されています。

1)分類の概要

アミロイドーシスはアミロイド前駆蛋白質の種類により分類され、これまでに43種類の前駆蛋白質が同定されています。また、前駆蛋白質の産生部位とアミロイドの沈着部位に基づき、全身性と限局性に大別されます。
全身性アミロイドーシスは、肝臓や骨髄などで産生された前駆蛋白質が全身を循環して、さまざまな臓器に沈着します。(例:ATTRアミロイドーシス、全身性ALアミロイドーシス、AAアミロイドーシス)
一方、限局性アミロイドーシスは、局所で産生された前駆蛋白質が産生部位およびその近傍の臓器に沈着します。そのため、限局性アミロイドーシスによる障害は、基本的に単一臓器に限定されます。(例:Aβアミロイドーシス[脳]、APrPアミロイド-シス[脳]、限局性ALアミロイドーシス[咽喉頭、肺、皮膚、尿路(尿管・膀胱)、消化管など])
6) アミロイドーシス診療ガイドライン2025作成委員会(編). アミロイドーシス診療ガイドライン2025. 医歯薬出版; 2025, p.2-9.

2)アミロイドーシスの特徴

アミロイドーシスは、アミロイド前駆蛋白質の産生部位とアミロイドの沈着部位に基づき、全身性と限局性に分類されます。それぞれの分類の中で、代表的なアミロイドーシスについて紹介します。(表11,6)
アミロイドーシスの分類と代表的なアミロイドーシス

●全身性アミロイドーシス

①ATTRアミロイドーシス
transthyretin(TTR)を前駆蛋白質とするアミロイドーシスで、TTR遺伝子変異が原因となる遺伝性(ATTRv)アミロイドーシスと、孤発性で老化に関連する野生型(ATTRwt)アミロイドーシスの2つが存在します7)。ATTRvアミロイドーシスでは多臓器にわたる障害を呈するのに対し、ATTRwtアミロイドーシスは主として心臓ならびに腱・靭帯への沈着により症状が生じます8)
②全身性ALアミロイドーシス
骨髄の異常形質細胞から産生される単クローン性免疫グロブリン軽鎖(Light chain)を前駆蛋白質とするアミロイドが、全身の臓器に沈着します。これにより、さまざまな臓器に障害が生じます6)
なお、免疫グロブリン軽鎖はκ鎖由来とλ鎖由来に大別され、それぞれκ型およびλ型と呼ばれます。
③AAアミロイドーシス
AAアミロイドーシスは、急性期蛋白質である血清アミロイドA(SAA)を前駆蛋白質とするアミロイドーシスです。慢性の炎症性疾患に続発して発症することが多く認められます9)
④Aβ2Mアミロイドーシス
Aβ2Mアミロイドーシスは、β2-マイクログロブリン(β2M)を前駆蛋白質とするアミロイドーシスで、長期透析患者に発症します。β2Mは透析で除去されにくいため血中に蓄積し、高値を持続することが原因となります10)

●限局性アミロイドーシス

①Aβアミロイドーシス
Aβアミロイドーシスは、アミロイドβ(Aβ)の前駆蛋白質であるアミロイド前駆蛋白質(APP)に由来するアミロイドーシスで、限局性アミロイドーシスの中で最も頻度の高い病型です6)
②APrPアミロイドーシス
APrPアミロイドーシスは、プリオン蛋白(PrP)を前駆蛋白質とする限局性アミロイドーシスで、孤発性(クロイツフェルト・ヤコブ病など)、遺伝性(ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病など)、獲得性(硬膜移植などの医療行為、ウシ海綿状脳症を発症した牛由来製品の摂取による伝播)に分類されます6)
③限局性ALアミロイドーシス
限局性ALアミロイドーシスは、アミロイド沈着臓器の近傍に存在する形質細胞が異常軽鎖を産生することで、単一の臓器にアミロイド線維が沈着する病型です6)

1) アミロイドーシス診療ガイドライン2025作成委員会(編). アミロイドーシス診療ガイドライン2025. 医歯薬出版; 2025, p.10-16.
7) Sekijima Y. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2015; 86(9): 1036-1043. 
8)アミロイドーシス診療ガイドライン2025作成委員会(編). アミロイドーシス診療ガイドライン2025. 医歯薬出版; 2025, p.28,65.
9) Lachmann HJ, et al. N Engl J Med. 2007; 356(23): 2361-2371.
10) Gejyo F, et al. Intern Med. 1993; 32(12): 925-927.